2000年4月22日(土)10:18

故郷放逐者にチェコへの定住権を認めるよう要求

チェコとポーランド両政府は「善意」を示すべき

ベルリン(AP)

キリスト教社会同盟(CSU)の国会議員ハルトムート・コシュクは、戦後故郷を追われたドイツ人にチェコとポーランドの定住権を早期に認めるよう要求した。「チェコとポーランドの両政府はもはや人々の定住権に対する全般的な抵抗を放棄すべきである。これはいずれにせよ欧州連合加盟の条件の一つである」とキリスト教民主同盟(CDU)/キリスト教社会同盟(CSU)国会議員団の放逐者政策担当スポークスマンである同議員は、土曜日のAP通信のインタビューで述べた。

   「両国の政府は『善意のあかし』を示すべきである。EU加盟の前に、戦後故郷を追われたドイツ人とその子孫にかつての郷土で土地を購入し、働くのを認めることも、その一つである。その決定は双方の国民の和解と融和をもたらす大きな貢献となろう」とコシュクは強調し、「ゲルハルト・シュレーダー首相と諸大臣もこの問題の解決を働きかけるべきである」と語った。

   「実際のレベルでは故郷放逐者とポーランドならびにチェコの国民の協力は喜ばしい進展を見せている。かつての郷里の教会や建物の修復に当たって、ズデーテンドイツ人とシュレージエンの旧住民が支援運動を組織した例は多い。ドイツに暮らす多くの故郷放逐者が出身地の文化財の維持修復や共同の伝統文化の保存のために募金を行っている。ドイツの隣国である両国の政府は、こうした良い発展に遅れをとるべきでなく、またドイツとの協調を妨害するポーランドとチェコの国家主義的な勢力に決して屈してはならない」と語った。

大挙して移住する事態は恐れるにあたらない

 コシュクは、移動の自由と居住の自由を認めれば、ズデーテンならびにシュレージエン、ポンメルン、あるいは東プロイセンへのドイツ人の大量移住が起きるのではないかという心配を否定した。「拡大後のヨーロッパの統一的法律はあらゆる国民に対して適用されねばならず、ドイツの故郷放逐者や難民も例外ではない。CDU/CSUは、計画中の欧州連合の基本権憲章に故郷に対する権利を盛り込むよう、引き続き働きかけていく。このような法規があれば不当な故郷放逐問題の解決に役立つだろう」と述べた。

 「故郷放逐の問題は人権の問題である」と野党の政治家コシュクは述べる。「故郷放逐者に対する政策は右か左かという問題ではない。自国の国民に属する人々にも人権が適用される、という点こそが問われているのだ。これは社会民主党(SPD)ならびに同盟90/緑の党もともに掲げねばならない要求である。」故郷放逐者の問題はコシュクの見解では「他の戦争犠牲者の問題同様、まだ風化していない」という。だがこの文脈で双方が犠牲者の数を並び立ててははならない。他方「第二級の犠牲者」を許容し、たとえば「戦後のドイツ人強制労働者の問題に口をつぐみ、それによって数十万の人々が被った苦しみを否定する」のは堪えがたい態度である、と述べた。

 CSUの政治家コシュクは、政府が故郷放逐者に対する文化保存助成金を大幅に削減したことを挙げ、あらためて政府を批判した。「ドイツの故郷放逐者の正当な願いを側面から支援する外交上の施策」も何一つとっていない。シュレーダー首相はEUの東方拡大を背景に、今なお残るチェコとポーランドの故郷放逐令と財産没収令の廃止に向けて、個人的に働きかけるべきである、と語った。

原題: Niederlassungsrecht fuer Vertriebene in Tschechien gefordert
    Prag und Warschau sollen "gute Willen" zeigen